リスニングルーム残響時間測定(音響パネル試用編)

リスニングルームの音響特性改善に音響パネル試用と、残響時間測定と試聴にて確認した内容をまとめます。

試用した音響パネル(YAMAHA ACP-2)

YAMAHA ACP-2

試用対象に選んだ理由は以下の通りです。
・ヘルムホルツ共鳴器の原理で吸音を行っているため比較的軽量にも関わらず低域での改善効果が見込める
→木製のパネルでは難しい低域(120Hz~)の吸音が実現
・4kHz以上の高域は吸音しにくく拡散しやすい
→既にデッド方向の当方のリスニングルームにてこれ以上高域の吸音をするのは望ましくない
・近隣店舗で貸出サービスを行っている
→オーディオショップに限らずYAMAHA製品を扱っている楽器店でも貸出サービスを行っている(こちらで検索可)
・オーディオグッズとしては比較的安価で測定データや原理を解説している
→測定データや原理を公開していて2枚10万円程度となるとYAMAHAかサーロジック製のものくらい

貸出サービスの店舗については愛知県豊橋市の第一無線さんを利用いたしました。運搬用の梱包箱込で1週間ほど試用可能とのことです。

パネルBOX

 

残響時間測定方法
音響特性測定用ソフトARTAにて残響時間RT30を測定→以前の残響時間測定記事

 

残響時間測定結果

cof
測定の様子

RT30の1/3オクターブバンドデータ

順にパネルなし→スピーカー背面→一部中央寄り→左右メインスピーカーとセンタースピーカーの間
before_panelpanel1

panel2panel3

パネルを導入して中央に寄せるほど250Hz近辺では残響時間が短く、1kHz以上では残響時間が長くなり周波数特性もフラットに近づく傾向にあります。250Hz以下の特性が不均一で残響時間がかえって長くなるなどしていますが部屋の構造による定在波の影響を受けやすい、計測に使用したスピーカーが小型のフルレンジのため再生周波数帯域下限が高いなど測定結果に確証がもてません。
パネルを中央に寄せるほど高域の残響時間が長くなるのは高域の吸音材として作用してしまっている厚手の遮光カーテンを音響パネルで塞ぐためでしょうか。

また、AVアンプのイコライザによる周波数特性の補正にも変化が見られました。
パネル導入前

cof

cof

 

パネル導入後
cof

cof

パネル導入後の方が左右差、補正量も少なくなるなど良い傾向が見られます。

 

試聴による主観的評価と測定結果との比較評価

2chでの音楽再生
1kHz以上の残響時間が長くなりつつも周波数特性もフラットに近づいたため、音の広がりや響きが豊かになりつつもピアノやフルートの音の硬さ(特定周波数で発生したフラッターエコー)が緩和され聴きやすくなりました。高域が吸収→乱反射になったため2chでの定位感に悩んでいた問題も若干解消されました(既に定位感いい環境で導入するとかえって定位感損なわれるかもしれませんが)。
250Hzあたりの中域の残響時間が短くなったことから、音のこもりがなくなって上記高域の残響時間拡大で感じた音の広がりはさらに強調される方向になります。ブーミーさが低減される言う言い方もできるでしょうか。
マルチチャンネル再生
パネル導入前はAVアンプのレベル自動調整機能で調整してもリア側の音量が大きいように聴こえていたため手動でリア側の出力レベルを落としていましたが、パネル導入後で前後の音量バランスが均一になりました。

機器類はこちらのものを使用しています。

 

まとめ
音響パネル導入に際しては簡易的な測定環境を用意すれば試聴による主観的評価だけではなく残響時間などの測定も交えてより費用対効果が見込めるルームチューニングができそうです。
また、ACP-2に関してはスピーカー近辺で残響・反射特性上問題のある箇所に設置すれば残響時間の改善(高音帯域の残響時間均一化や中域の吸音)によって音の広がりや響きが豊かにする方向に作用することが確認できました。

 

 

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